めまい
めまいの症状は、人によって様々で様々な病気によって起こります。
めまいは、①耳からくるめまい、②頭からくるめまい、③心臓からくるめまい、④その他のめまいに分かれます。
耳鼻科で行う主な検査は、目の動きを見る検査、聞こえの検査、バランスを見る検査を行います。
一番大切なことは、まずは頭や心臓からくる命に関わるめまいを除外することで、力が入らない、顔が動かない、呂律がまわらない、意識を失うなどの症状がある場合は救急車で大きな病院に行っていただくことをお勧めします。
めまいの症状
めまいには以下のような症状があります。
天井がクルクル回る
ふわっとする感じがする
★バランスが取れず、全く立てない・歩けない
★意識が遠のく
めまいがして気持ちが悪い
など、一言にめまいといっても、めまいを起こす病気はたくさんあり、様々な症状があります。
意識が遠のくめまいでは心臓の病気、全く立てない・歩けないなどの症状は頭からきているめまいの可能性が高いため、総合病院の救急受診をお勧めします。
めまいを起こす病気は、それぞれ特徴的なめまいの症状があります。①どんな時に起こる、②どのくらい続く、③どんなめまいなのか(景色が回るのか、フラフラするのか、意識が遠のくのか)を伝えていただくことで、診断の精度を上げることができます。
当院ではめまい患者様に向けた、問診を用意しております。診察時間内に症状をお伝えできない方も多いと思いますので、こちらをご利用ください。
めまいの種類
めまいには、大きく分けて
①耳から ②頭から ③心臓から ④その他
に分かれます。めまいを起こす病気はたくさんあり、まためまいが起きている時でないと診断が難しい病気がたくさんあります。そのため、いろいろな病院を受診しても診断がつかないことも多い症状の一つです。まず一番に大切なことは、命に関わるようなめまいを除外し、命に関わるものであれば、専門の病院をすぐに受診することが大切になってきます。
めまいを起こす病気
めまいの病気の中で代表的なものには以下のようなものが挙げられます。
詳しく知りたい方は、病気の名前をクリックして、専用ページに飛んでください。
① 耳のめまい
良性発作性頭位めまい症(特定の頭の動きをした時に発作的に起こる)
メニエール病(難聴や耳鳴りなどと一緒に起こる、繰り返す)
前庭神経炎(激しいめまい)
突発性難聴(突然耳が聞こえなくなった)
内耳炎(急性中耳炎、ANCA関連血管炎性中耳炎などからの波及)
前庭性偏頭痛(偏頭痛と共に起こるめまい)
持続性知覚性姿勢誘発めまい(急性めまいが改善したにも関わらず、不動感、不安定感、非回転のめまいが3ヶ月以上続く)
上半規管裂隙症候群(大きな音を聞いた時や耳に圧をかけた時に起こるめまい)
聴神経腫瘍(耳の神経にできる腫瘍)
② 頭のめまい
脳梗塞、脳出血、椎骨脳底動脈解離 など
③心臓のめまい
心筋梗塞、不整脈、起立性低血圧
④その他
疲れ、血糖異常(低血糖、高血糖)、電解質異常、心因性など
めまいの検査
めまいの検査には以下のようなものが挙げられます。
眼振(目の特徴的な動き)の検査
耳からくるめまいの場合特有の目の動きをします。片方に一気に動いて、ゆっくり戻るといった目の動きです。
眼振は一点を見てしまうと弱くなってしまうため、特殊なゴーグル(フレンツェルメガネ)をつけて行っています。
目の動きを見る検査ですので、辛くても目を開けていただいていた方が、スムーズに検査を行うことができます
・聴力検査
耳からくるめまいの場合、聴力に異常がある場合があるので、聞こえの検査を行います。
・鼓膜を直接見る検査
中耳炎などでめまいを起こす場合があり、鼓膜の様子を見ることがあります
・CT検査(主に中耳〜内耳の病変を見るのが得意です)
中耳の病気や、上半規管裂隙症候群では中耳や内耳を確認することでめまいの診断がつく場合があります。
・重心動揺計
まっすぐ立った時に体の揺れを記録・解析することで、体の
耳以外のめまいを疑う場合
心電図検査:不整脈や心筋梗塞などを確認する検査
血液検査:貧血や、血糖異常、ミネラル異常、その他臓器疾患(心筋梗塞、心不全、腎臓病、肝臓病)などを確認する検査
シェロング検査:起立性低血圧の検査
・MRI検査
病院で行う検査です。
脳梗塞など命に関わる頭のMRIを撮影します。
耳鼻咽喉科の領域では、内耳の構造の異常(奇形など)や神経・脳に腫瘍など、生命に関わるような病気がないか確認するため、耳のMRIを撮影することがあります。
めまいの治療
ここでは、耳鼻科領域のめまいの治療法について記載します
急性期
症状を抑えるための治療として、①めまいの症状を抑えるための抗めまい薬、②めまいから起こる嘔気や嘔吐を抑えるための制吐薬を使用します。
加えて、疾患によって以下の様な治療があります。
良性発作性頭位めまい症:耳石を移動させるための、頭の体操を行います
メニエール病:イソバイドという利尿薬を使用します
前庭神経炎:ステロイドの治療とリハビリテーションを行います
突発性難聴:ステロイドの治療とリハビリテーションを行います
前庭性偏頭痛:偏頭痛の治療を行います
持続性知覚性姿勢誘発めまい:精神科先生と協力して薬を使用する場合があります
慢性期
めまいが起きてから3ヶ月以上続くような慢性的なめまいにはリハビリテーションが有効とされております。
めまいのリハビリテーションは前庭リハビリテーションと呼ばれております。前庭とは耳の中の内耳(ないじ)という場所に、聞こえの器官の隣にある平衡感覚の器官です。