外耳炎、外耳道炎
外耳炎とは、外から見える耳介や、穴の奥にある外耳道の感染によって起こります。
原因の多くは耳かきによって起こります。水泳や入浴、化粧品が原因になることもあります。
耳の痛みやかゆさ、耳だれなどを生じ、炎症が強く腫れると耳が詰まった感じを起こすこともあります。
耳の中を顕微鏡などを使って、実際に見ることで診断をつけます。
治療は、抗菌薬(点耳薬、飲み薬)を使用します。
外耳炎・、外耳道炎とは
外耳は外から見える①耳介と、耳の穴の奥にある②外耳道で構成されています。
外耳炎は①耳介と②外耳道の感染によって起こり、外耳道炎が多いです。
感染を起こす原因の多くは、耳かきや耳掃除で強く刺激を与えてしまった場合だけでなく、毎日の耳掃除のような頻度の高い刺激で、耳の皮膚・粘膜が弱くなってしまうことでも起こります。
その他にも、水泳やシャワー、入浴などで水が外耳道に入ってしまう、シャンプーやパーマ液が入ってしまうなど、外耳道に何かしらの異物が入ることによって起こります。
皮膚にいる菌(ブドウ球菌)が原因になることが多いですが、時に緑膿菌という一般的な抗菌薬が効かない菌やカビ(真菌)が感染の原因になることもあるため、治療をしても落ち着かない外耳道炎は注意が必要です。
外耳炎、外耳道炎の検査
・耳介や外耳道をみる
耳介や外耳道を直接見ることで外耳炎や外耳道炎かどうかを判断できます。
外耳が赤くなっていないか、腫れていないか、膿が出ていないかなどを確認します。
検査には、耳鏡を耳にいれて、顕微鏡やWelch Allyn®と言った鼓膜を拡大してみる機械を使って、外耳道を確認します。
耳痛や耳のかゆみ、耳だれの原因として鼓膜炎や中耳炎が原因のことも多くあるため、どの病気によって起こっているのか確認します。
・菌を確認する
外耳道に炎症がある場合は、菌の検査をすることによって、原因菌を確認することが出来ます。
細菌は菌の種類によって、効く抗生物質が異なります。Aという菌によく効く抗生物質もあれば、Bという菌によく効く抗生物質があるといった形です。また、耐性菌といった、抗生物質が効かない菌を調べることもできます。
全ての菌やカビに効く最強の薬はありません。
まずは、外耳炎を起こしやすい菌によく効く抗生物質を使用しますが、効かない場合にはこの検査結果を確認して治療します。(結果が出るまでは1週間程度かかります)
外耳炎、外耳道炎の経過と治療
治療を開始し、数日から1週間程度で症状は落ち着くことが多いです。
落ち着かない場合には、特殊な菌やカビが原因でないかを確認しながら治療を行います。
・点耳薬や飲み薬、塗り薬などの抗生物質(抗菌薬)
よく外耳炎、外耳道炎を起こす菌によく効く抗菌薬を選択して治療を行います。
軽症の場合には点耳薬のみで治療し、腫れが強い場合には飲み薬などを併用します。
一般的には点耳薬の方が、濃度の高い抗生物質が菌に届けられるためよく効くとされています。
耳の穴の手前や、耳介に炎症がある場合には塗り薬などを使用する場合もあります。
・痛みやかゆみを抑える薬
必要に応じて、痛み止めや痒み止めを処方します。
痒みを抑える薬としてステロイドの軟膏がありますが、頻回に使用することで、耳の粘膜や皮膚が弱くなり、感染を起こしやすくなってしまいます。炎症があるときに使用するのは良いのですが、痒みがあるからといって、長期間使用し続けるのはお勧めできません。
・難治性の外耳道炎の場合
菌の検査結果を見ながら、カビや特殊な菌に効く薬を使用します。薬だけではなかなか炎症が治らない場合には、頻回に通院していただき、耳の中を掃除し乾燥させるなどが必要になる場合があります。
稀な疾患ですが、外耳道癌が隠れていることがあるため、治らない外耳道炎は注意が必要です。