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突発性難聴

突発性難聴とは、「突然発症する原因不明の感音難聴」のことです。

感音難聴とは、水や耳垢がたまるなどで起こる通り道の難聴ではなく、音を受け取った後の神経の難聴です。

検査は、鼓膜を見る検査と、聴力や鼓膜の圧を測る検査など行うことが多いです。

治療は、ステロイドの全身投与や、鼓室内投与などを行います。

治癒率は高くなく、適切に治療をしても治癒率は約30%とされています。

 

突発性難聴とは

突発性難聴とは、「突然発症する原因不明の感音難聴」を示す言葉です。50から60歳に多く、年間約35,000人が発症すると言われている病気です。

原因としてはさまざま言われておりますが、不明なことが多いです。時に聞こえの神経に腫瘍ができる聴神経腫瘍が原因の場合があるため、治療後にMRIを撮影することがあります。

症状:

基本的には片側だけの高度な難聴であり、さまざまな種類の耳鳴り、耳が詰まった感じ(耳閉感)を生じることがあります。耳の症状は時間が特定できるくらい突然のことが多いです。

めまいを伴うことがありますが、その他の神経症状(顔が動かない、顔の感覚が変、手足が動かない、呂律がまわらない)を伴うことはありません。もし、神経症状を伴う場合には脳梗塞など命に関わる疾患の可能性が高いため、頭を見ることができる大きな病院を受診してください。

 

 

突発性難聴の検査について

・外耳道から鼓膜を直接見る検査

外耳道に耳垢や異物がないか、鼓膜の奥(中耳)に膿や水が溜まっていないかを確認して、難聴。

 

・聴力検査

①難聴の重症度:どのくらい音の大きさが聞こえていないかの難聴の重症度を音の高さごとに検査します

②難聴の種類:2種類の音の種類の検査をすることで、通り道の難聴なのか、神経の難聴なのか、または二つが混ざった難聴なのかを区別することができます。

 

突発性難聴では隣り合う3周波(音の高さ)で30dB以上の難聴が72時間以内に生じた場合という診断基準があります。急に発症して診断基準に満たないような難聴は急性感音難聴と言うこともあります。

また、低音部のみの低下の場合には急性低音障害型感音難聴という、メニエール病に類似した病気の可能性があり、治療が異なります。

 

・ティンパノメトリー(TG)

圧をかけて鼓膜の動きを見る検査です。神経の難聴との区別に使用する場合があります。主には鼓膜の奥にある中耳という部屋の異常がないかを確認します。中耳に水が溜まっていたり、音を伝える骨(耳小骨)が固まっていたり、外れていたりすると異常な波形が表示されます。

 

・MRI検査

稀な病気ですが、内耳の構造の異常(奇形など)や神経・脳に腫瘍など、生命に関わるような病気がないかを確認する検査です。例:聴神経腫瘍

 

・眼振検査

めまいがある難聴の場合には、目の動きを見ることで、耳や頭のめまいで起こる特殊な目の動き(眼振)がないかを確認します。

 

突発性難聴の経過と治療

突発性難聴は治る可能性(予後)が良い病気ではありません。治癒率は約30%と言われており、部分的に回復する方が約30%、約30%近い方が改善もしないと言われています。

2週間以内に治療すべきと言われているため、それ以上経過した場合には治療が難しいことも多いです。

発症後早いと1ヶ月、遅くとも3ヶ月以降は、聞こえの改善が難しいと言われています。(聴力が固定する)

難聴が高度の方、めまいを伴う方、高齢者、心疾患、脂質異常症の方は予後が悪いとされています。

 

①ステロイド治療

治療の基本は飲み薬または点滴でのステロイド治療をします。それに加えて、ビタミン剤や循環改善薬を投与します。メニエール病や低音障害型感音難聴の場合は、ステロイドではなく利尿薬を使用する場合が多いです。

ステロイド治療は副作用が出ることがあるため、重症な方や、高齢または病気を多くお持ちの患者様は入院での治療のため、大きな病院へ紹介いたします。

 

②ステロイド鼓室内投与

ステロイドを鼓膜から中耳という空間に投与することで、聴力が改善しなかった場合などに行うことがある治療です。全身投与と同時に行うことでの効果については、まだ判明していません。

 

高齢や重い病気をお持ちの方で、ステロイドの飲み薬や点滴での治療が難しい方などには、鼓室内投与のみを行う場合もあります。

 

③高気圧酸素療法

効果については一定の見解を得られておりません。行える施設は限られているため、希望がある場合には紹介します。

 

④補聴器治療

突発性難聴だけでなく、ゆっくり進んだ神経の聞こえの悪さや、または時間のたってしまった神経の難聴は、現在の医療の限界として治すことが難しいとされています。

治療が難しい難聴でお困りの場合は、補聴器を使うことで聞こえを良くすることができます。

補聴器はメガネ等と異なり、つけたらすぐによく聞こえるものではありません。

耳が補聴器になれる期間、検査を行った上で補聴器自体を調整することが大切になってきます。

補聴器は高額です。十分に説明・検査・調整を行ってくれる販売店さんからの購入をお勧めいたします。

 

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