舌が痛い
舌が痛い場合の多くは口内炎や舌炎が原因の場合が多いです。
口内炎は自然に治ることも多いですが、長引く場合は『ガン』の可能性があります。
舌炎の原因には、貧血やカビによる感染などです。
治療の基本はステロイドの軟膏や口腔内を清潔に保つことが大切です。
舌が痛い症状
ピリピリ痛む、ヒリヒリするなど痛みの原因はさまざまです。
神経痛などの場合は、電気が走ったような痛み(電撃痛)などの場合があります。
注意すべき舌の痛み
長引く口内炎による舌の痛みは、『ガン』の可能性があり注意が必要です。
口内炎の多くは自然に治ることも多いです。また、ステロイドの軟膏を使用することで、その多くが改善します。長引く口内炎や治療を行っても治らないような口内炎は、『ガン』の可能性があるため注意が必要です。その他に『ガン』による口内炎では、口内炎の周りに硬さなども感じることがあります。
舌の痛みを起こす病気
舌痛の多くは口内炎・舌炎による痛みが多いです。
口内炎というと医学的には口の中の粘膜の炎症を示しますが、一般の方の多くは白く浅い潰瘍のことを口内炎と言われる方が多いので、ここでは浅い潰瘍を口内炎とします。
口内炎の多くは、歯があたるなどの刺激によるもの、栄養・胃腸障害、細菌感染・ウイルス感染などで起こることが多いです。
舌炎では舌全体が赤く見えたり、白い見えたり、表面がつるつるしたり、様々な見え方をします。舌炎の原因としては、貧血や感染、乾燥、口の中の不衛生などで起こります。
その他、舌のデキモノ(腫瘍)や舌の変化を伴わない痛みでは神経痛や心因性などがあります。
以下に口内炎・舌炎を起こす病気を示します。
①口内炎
歯の刺激、細菌性・ウイルス性、栄養失調、胃腸障害、ホルモン異常
単純ヘルペス口内炎
帯状疱疹ウイルスによる口内炎
手足口病
ヘルパンギーナ
ベーチェット病
炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)
自己免疫疾患(IgG4関連疾患、ANCA関連疾患、天疱瘡、扁平苔癬)
②舌炎
刺激による舌炎(歯に当たる、熱や辛味、薬剤による刺激)
Plummer-Vinson 症候群(鉄欠乏が原因の貧血)
悪性貧血(胃の吸収が原因でビタミンB12欠乏性による貧血)
黒毛舌(口腔衛生の不良や喫煙、長期の抗生剤内服などが原因)
地図状舌(地図のような模様が舌にできる)
正中菱形舌炎(痛みはないことが多い。舌の真ん中に突出ができる。)
③舌の腫瘍
舌白板症
舌ガン
④神経痛
舌咽神経痛
三叉神経痛
その他:シェーグレン症候群、梅毒、サルコイドーシスなど
味覚障害の検査
舌の痛みの検査
・舌・口腔内の診察
舌の表面が赤み、汚れ、乾燥、舌の溝など舌の状態を確認します
・血液検査
貧血による舌炎が疑われる場合には血液検査を行います。
その他ヘルペスや帯状疱疹などの感染症が疑われる場合も血液検査を行っています。
自己免疫疾患などの特殊な口内炎の精査が必要な場合は大きな病院を紹介する場合があります。
・感染症の検査
舌表面のぬぐい液を検査に出すことで、『カビ』とくに『カンジダ』による舌の炎症が起きていないか確認します。
・組織の検査
なかなか治らない口内炎や、腫瘍が疑われる場合は一部組織を採取し、顕微鏡で見る検査を行う場合があります。大きな病院を紹介します。
・MRI
神経痛が原因の場合には大きな病院に紹介し、MRIなどを思考する場合があります。
舌の痛みの治療
・口内炎の場合
口の中用のステロイド軟膏を処方します。2〜3週間使用しても改善がない場合には、『デキモノ』『特殊な炎症』が原因の場合があります。
・舌炎の場合
①感染などの炎症が原因の場合
口腔内の衛生環境を整えるような生活指導を行います。カビなどが原因の場合は、抗真菌薬などを使用します
②貧血が原因の場合
貧血の治療を行いつつ、貧血の原因を調べます。
③口腔内の乾燥が原因の場合
口の中を潤す治療などを行います